指導方針・特色についてのご説明です。

基礎の徹底

難しい演習ばかりしていませんか?

 大学受験英語の土台となるものは中学卒業までに学習する英語です。センター試験時代には、中学英語をマスターすれば平均点が取れると言われていたましたが、実感としてその通りです。試しに中学の教科書を見てみてください。受験生泣かせの "lie" の3変化や "remain" と "remind" までちゃんと学習済みなのです。
 ところが、優秀な生徒ほど中学内容の簡単さに安心して演習を怠り、結果として受験生になっても "go to school" が言えなかったり、三単現の "s" のつけ忘れでポロポロと失点していたりします。文法項目別の問題なら解けるのに範囲がごちゃまぜになると解けないというのもこの訓練不足が原因です。
 中学英語のやり直しや抜けを埋めるだけでかなり難しい英文が読めるようになりますし、しっかりした土台の上には楽に応用部分が載るものです。高層ビルを建てるためには大きくて強固な土台が必要なのです。正しい発音で、最低限必要とされる厳選された単語を使って基本的な英文を読み、書き、聞き、言えるように徹底的な訓練をすることが大切です。

英語力の3要素

英語力には「文法力」「単語力」「読解力」3つの要素があると私は考えます。サッカーや野球などのスポーツに例えれば、
文法=ルール
単語=筋力および体力
読解=実際のゲーム

と言えます。
どれが欠けても成り立たず、どれもお互いに関係しあっています。文法だけを先に進めたり、やたら難しい単語をどんどん覚えていくことに意味はありません。バランスよくそれぞれの力を向上させていくことが大切です。特に読解は時間がかかる上に成果が見えにくいことから、学校では十分に演習されず、自分一人では取り組みにくく、疎かになりがちです。当研究所では先を急がず自分に合ったレベルでじっくりとそして沢山の英文を読むことを重視します。リスニング力や英作文力の元になるのも正しい英文に多く触れることなのです。

中学生の保護者の方へ

 英語に限らず何事も、自己流でついてしまった癖を後から矯正するよりも初めから正しいことを身につけてしまう方がずっと楽に決まっています。英語もそもそもつまづかないことが最強の受験対策です。まだ1年生なのに英検2級を取れたと競うような風潮もありますが、基礎をやるべき時には先を急がずじっくりと基礎力をつけておくことが将来の大きな伸び代を生みます。内容は中学レベルであっても、もちろん数年後の大学受験を見据えて重要項目を徹底しあらかじめつまづきの種を取り除いておく指導します。実際に、早いうちから完全個別指導を受けていたために英語が得意になり、大学受験時には英語は個別指導なしで他の苦手科目に専念できたと、嬉しいお知らせをしてくださる生徒さんは多くいらっしゃいます。無駄な苦労をせず、初めから正しい英語と勉強方法を身につけてほしい。そんな思いから当研究所では学年が上がっても授業料は初年度のまま据え置いています。

暗記はカスタマイズした例文で覚えやすく

 重要な文法事項や構文、語法などどうしても暗記しなければならないことが一定量ありますが、一人ひとりの興味や体験に即した例文を工夫することでずっと楽しく覚えやすくなります。授業で紹介した例文は次の授業で必ず復習テストをし、できなかったものはまた次回にテストをします。ようやく覚えたものも、そろそろ記憶が薄れたかなという頃に抜き打ちチェックをします。これを習慣的に繰り返してくいくことで、いつの間にか正しい英文のストックが自分の中に積み上げられます。このストックが初めての長文を読む時や文法問題を解くときの手引きになるのです。

「わかった」の先へ

 時々「英語は暗記科目で、読解は暗号解読だ」と思っている人がいるのですが、英語は日本語と同じく生きた言語です。文章の内容が一通りわかっておしまいではなく、全体の構成や論理構造を理解し、行間まで味わい、その内容について自分はどう感じ考えるのかを言葉にすることを促します。トピックの深掘りや関連するテーマの紹介など、教科の枠を超えた語りかけを常に心がけています。特に医学部志望の生徒さんには折に触れて医療系の話題を紹介します。例えば "maternal" という単語が出てきたときには "paternal" という対語と共に、「パターナリズム」という医者・患者関係を表す用語とそれをめぐる議論についても解説します。普段からさまざまな問題について知り思考を深めておくことは、読解力の強化のみならず、小論文や二次面接の対策になります。

受験生の指導について

他教科への目配りと戦略

 入試までの時間が限られている中で、闇雲に勉強するのではなく、一人ひとりの現状を踏まえた合理的な戦略に基づいて各教科の勉強を進めていくことが合格の可能性を高めます。入試科目や配点、問題の難易度、共通テスト受験の有無などの外部要素と、教科ごとの得意・不得意や今後の伸び代などの内部要素を鑑みて、各教科にどのくらいの時間と労力を配分するのか、英語の中でも例えば長文と英作文のどちらにより注力するべきなのか等を判断しながら戦略的に学習を進めていきます。

入試期間中も続く授業とメンタルサポート

 入試期間は精神的にも体力的にもとても厳しいものですが、毎日のリズムを崩さずいつもの講師といつも通り淡々と勉強を進めていくことが合格の秘訣です。本番でわからなかった問題をすぐに解決しておくことで、次の本番では似たような設問の正解につながることがあります。そうなると調子も上がり、最後の最後まで実力がアップし続けていくことになります。また「緊張した!」「焦ってこんな風にやってしまった!」など不安やストレスを口に出して講師とやりとりする中で、安心したり自分で改善の糸口を見出せることもあります。それまでの決まった曜日の授業に縛られず入試日程に合わせてできる限りスケジュール調整をして授業を続けます。試験日程が密集していて授業が行えない場合でも、メールやオンラインで最後までサポートします。