こんな塾には要注意!

夏期授業をとにかく増やそうとする塾

 以前にも、夏休みの講習というシステムは浪人生には適さないのではないかということを書きましたが、夏期にここぞとばかり授業コマ数を増やそうと持ちかけてくる塾には要注意です。勉強するご本人が必要を感じるかどうかで決めればよいことで、言われるままにコマ数を増やすべきではありません。

 いうまでもなく塾の側も商売ですから、長い夏休みや受験期には営業をかけてきます。ただ、その度合いや熱量が塾によってかなり違います。個人指導塾の場合などは、運営側が各講師にプレッシャーをかけて授業を増やす持ちかけをご家庭にさせることもあります。私が大昔に教えていたところでは、生徒を直接指導している講師から勧めた方が「成約率が高い」という理由でそうしていました。

 やる気のある生徒さんや、予定より勉強が遅れがちな生徒さんに場合には、ご本人や親御さんの側から頼まれたり、状況をご相談をしたりして、必要であれば授業を増やす対応をしていましたが、明らかに必要のない生徒さんに関してまで運営側から電話がかかってきて、増やせ増やせと言われたこともあります。
「○○さんは内部進学ですし、今もきちんとしたペースで勉強しているので夏期講習は必要ありません。不必要なものをお勧めしてご家庭との信頼関係を壊したくないので、『勧誘』はそちらで行ってください」
 とお断りしたこともあります。とっくに辞めた塾ですが、その金儲け体質は変わっていないようです。

 良心的な塾だと、「自分で勉強する時間も授業と同じくらい大切だから、あまりたくさん授業を入れすぎないように」と、授業増に前のめりなご家庭を逆に説得する場合もあります。その見分けが入塾前にはわからないから難しいですよね。

 やたらと不安を煽ってきたり、増やす前提で話をしてくるところには要注意です。生徒の側が真面目に順調に勉強しているのに、「このままでは間に合わない」と脅してくる場合、そもそもの普段のコマ数設定が間違っていたか、普段の授業時間を講師が生かしていないことになりますから、「ウチの塾はダメです」と自ら言っているのと同じです。他を探しましょう。