医学部入試は半年にわたる長期戦

試される精神力

 かつてはセンター試験後から約二週間のうちに過密日程で行われるものというイメージのあった私大医学部ですが、近年は後期・Ⅱ期を実施する大学が増えたこともあり、3月上旬まで続くものになっています。各種推薦や帰国生選抜は11月(早いところでは10月)から始まりますから、ほぼ半年です。逆に、昔は後期まで含めてかなりの長期戦であった国立大学が後期試験を廃止・縮小しているので、私大医学部の「ダラダラ感」が目立ちます。

 ここで最も試されるのは精神力です。などというと最近は嫌われるので、メンタルなどとカタカナにするのでしょうが、本当のことですから仕方ありません。推薦で決まらなかったから一般入試、一般入試で決まらなかったから後期と長引いていくわけですから、精神的にはどんどんしんどくなります。この時、時と共に元気がなくなって、試験を受ける前から気持ちで負けている人もいました。前半での失敗のダメージを振り切って、開き直るようにして残りの試験に臨んだ人もいました。学力的にはほぼ同じところに多くの受験生がひしめいているわけですから、その精神力の差が合否の差となって表れます。

 募集人数は少なくても、後期でも必ず合格者は出るのです。当たり前ですが。これもかつての生徒さんで、前期では振るわなかったけれど、最後の最後に後期の正規合格を勝ち取った方もいました。こちらも受かってほしくて一生懸命ですから時に厳しい指導もしましたが、粘り強く必死で食らいついてきました。

 今、とても不安で苦しい受験生がたくさんいると思います。不安は抱えたままで良いのです。でも、覚悟を決めて今後の勉強と試験に臨んでください。