ノーベル賞から仔犬のおじさんへ②

 前回からの続きです。
その写真というのが、こちら。↓

 私はSNSをやらないので全然知らなかったのですが、X(旧ツイッター)で、川端康成が両腕に五匹もの仔犬を抱えた写真が流れてきて、学校のみんなでカワイイカワイイと盛り上がっていたそうです。

 今度は私が「なにこれ? めっちゃカワイイ!」を連呼する番です。恥ずかしながら、この写真を見たこともなければ、川端康成が犬好きだったということも知りませんでした。

 川端康成に関して私の持っていた知識は、「日本人初のノーベル文学賞受賞者で、顔はちょっとダチョウ似(だと思う……)で、『伊豆の踊り子』や『雪国』の作者」というもので、教科書的で面白みに欠けます。一方で、生徒さんの知っていた「めっちゃカワイイ仔犬のおじさん」の写真は人間的で印象深いものですが、その「おじさん」が「あの」川端康成だということも合わせて知らなければ、やはり奥行きに欠けるものです。

 英語の授業という点から見れば「脱線」であり、「余談」にすぎないのですが、長文をきっかけにして生徒と講師の双方の知識が思いがけなく融合して忘れられなくなるような、こんな楽しい授業を今後も持てると良いなと思います。