国公立受験生へ、「今は共テに全力!」は危険かも?
早いもので、お正月ももう8日です。あと10日で共通テストです。学校や塾によっては、この時期でも毎日来校させてひたすら共テの過去問を解かせるなんていうところもあるようです。が、学校や塾でそういう講座をやっているからといっても、参加するかしないかは自分で決めることです。「共テまでは共テを全力で!」というのは、わかりやすさと表裏一体の思考停止が感じられて、かなり危険です。
一口に国公立と言っても、共テと二次の得点比率は大学によって大きく異なります。東大や京大なら相当に圧縮されたり、足切りにさえ合わなければそもそも合格点に組み入れられない科目が多かったりもします。
もちろん、例年、東大合格者の共通テスト(昔ならセンター試験)の得点は非常に高いですが、それは共テ対策を万全にしたからというわけではありません。東大合格を狙えるような生徒さんの場合、仮に理系なら、共テの数学や理科は、出題形式に慣れる練習さえしておけばそこそこ点が取れてしまう。圧縮されるので満点を取る必要はない。そこで、クセの強い国語や、あまり勉強してこなかった社会を中心に共テ対策をする。あとは二次試験を見据えた普段の勉強を半分くらいは続けているのです。そうでないと、共テ後から二次試験の間に、私立の受験も挟みながら十分な二次対策をすることが難しいからです。
逆に、共通テストと二次試験の比率が3:2くらいで、二次試験の問題がかなり難しい大学の場合は、できるだけ共テで点を取っておくことが有利になるので、今はひたすら共テ対策をするのが正しいということになります。
学校が言うから、塾が言うから、ではなく、志望校における配点や、自分にとっての難易度を考え合わせて、自分で力の入れ具合を配分して、賢く対策していきましょう。