勉強方法に「正解」を探さない

 あっという間に5月も後半。東京はすでに梅雨のような天気です。受験生もそろそろ日々の勉強のスタイルが出来上がってきていると思います。

 さて、その勉強スタイルですが、各教科の割合や、予習型か復習型か、同じ問題集を繰り返すかどうかなどの細かいことから、ざっくりとした年間計画、たとえば過去問をいつから解くかなどの大きなことまで様々です。場合によっては講師にアドヴァイスを求めたり、学校から推奨されたり、塾からの営業を受けて、混乱してしまうことがあるようです。

 かつて、ある受験生が「どうするのが正解かわからない!」と頭を抱えて叫んだことがありました。とても優秀な人だったので驚きましたが、勉強の仕方は人それぞれで、「正解」などありませんから、「正解」を探そうとすること自体が間違いです。

 この時は、もともとご自分でも私も、今は基礎固めの時期で過去問はまだ先と考えていたところへ、塾からの過去問講習の強烈な営業を受けて不安を煽られてしまったのです。その講習を取った先輩たちの方が受かっていると言われれば、動揺するのも無理はありません。でも、取っても落ちた先輩たちもいれば、取らなくても受かった先輩たちもいるはずだということは少し考えればわかるはず。

「正解」の勉強方法を探すということは、「こうすれば受かる」という方法を探すということなのでしょうが、そんな魔法があるはずがありません。「こうすれば必ず儲かりますよ」なんて、典型的な詐欺トークですね。

 ではどうするか? 自分で考え、時には試行錯誤して、自分で決めていくのです。人の助言を求めたり、塾の営業を信じてその通りにするにしても、どれを信じるのか、そもそも信じるのか信じないのかは、自分で決めるわけです。違うなと思ったら途中で変えたり、効率がイマイチと思ったら改良したっていいのです。

勉強場所を決めるのと同じ

 あなたはどこで勉強しますか? 自分の家ですか? それとも塾の自習室や学校の教室ですか? その時々で変えていますか? 自分の部屋だと誘惑が多くて集中できないという人がいます。もし「自分の部屋で勉強するのが正解です」と言われたら、そうしますか? 集中できないのに?

 逆に自分の部屋の方が勉強しやすいという人もいます。もし「必ず塾の自習室で勉強しなさい」と言われたら、そうしますか? わざわざ交通費と往復時間をかけて、集中できない自習室に向かいますか?

 勉強場所を自分で決めるのと同じように、勉強方法も自分で決めるのです。