東大合格発表の今、昔、大昔

 今日は東京大学の合格発表です。コロナ禍以降はWEB発表のみになり、本郷キャンパスでの掲示は今年もないようです。合格発表は、大勢の中でたくさんの受験番号が印刷された掲示板を見上げるスタイルから、自室でこっそり画面を覗き込むスタイルにすっかり変わったようです。といっても、インターネット発表が行われるようになったのはもうずいぶん前からで、私の以前の生徒さんたちも、正午にネットで見て、数分後に合格メールをくれるという方が多かったです。

 以前は、テレビで本郷キャンパスでの合格発表の様子が三月の風物詩のように流されていました。運動部員に胴上げされている合格者の姿を見たことがあるでしょうか。今は昔ですね。もっと昔は、本郷キャンパスの掲示には受験番号ではなく、氏名が書かれていたものでした。そして全合格者の氏名が「サンデー毎日」という週刊誌に載るのです。個人情報ダダ漏れの、恐ろしいような、のどかなような時代でした。

 ちなみに私は、前期試験は落ちたと確信していて、当時まだあった後期試験の受験資格があった場合にはどの校舎で書類をもらって……という手続きで頭がいっぱいで、前期合格者のなかに自分の名前を見つけたときは嬉しいよりボーゼンとしてそのままトボトボ家に帰ってしまいました。入学手続きのための書類をもらってこなければいけなかったと親に指摘されたときには、「合格して浪人か……」とクラクラしたものです。もちろん、遠方の受験生の多くはキャンパスでの発表に来られないので、そんなはずはなく、翌日スゴスゴと駒場まで取りに行きました。