「英語は12歳まで」と言われていた時代も…

 外国語を大きな困難なしに身につけるには、いつ、どのようにしたらよいのか、昔からさまざまな研究がなされ、さまざまなことが言われてきました。ウン十年も前ですが、「12歳までにやらないとダメ」というようなことが言われていた時代もあります。私がその説を聞いたのは高校卒業の頃だったと思います。「いや、こっちは12歳になってから勉強始めてんですけど、今更そんなこと言われても……」と脱力したことを覚えています。

 最近の研究では、生後1年のうちに習慣的に耳にした言語は、長いブランクの後でも単なる「音」ではなく、意味のある「言語」として認識されることがわかったそうです。これまた、幼稚園くらいから早期教育を始めた人にとっては脱力かもしれません。逆に、「それなら……」と0歳のうちから英語の番組を見せたり聞かせたりすると、赤ちゃんが嫌がって泣いてしまう(つまり、普段耳にしている言葉とは違う訳のわからない別の言葉として認識できるのでしょう)ということもあります。0歳児でも外国語の獲得には「苦労」するのです。

 「じゃあ、どうすればいいんだ?」という話ですが、英語早期教育についてのさまざまな言説は話半分に聞いておいて、「こうすれば大丈夫」とか、「それなら私はもうダメだ」と思わずに、勉強することです。研究結果は覆ることもありますが、自分の努力だけは決して覆ることはないからです。私と同じく中学から英語を始めた同級生には、現在アメリカで立派に仕事をしている人が何人もいます。