野球三昧から勉強三昧へ
「全力投球」の受験生の驚異的な伸び
丸刈りの頭と体格から一目で「野球部員!」とわかる受験生を教えたことがあります。小学校から野球を始め、中学でも高校でも野球ひとすじ。最後の試合が終わって引退すると同時に塾に来られました。私は国語(現代文・古文)を担当しました。2年生までは「たいてい寝ていた」学校の国語は、3年生になって起きているようにはなったものの、よくわからない。😅 特に古文は、「今、学校の授業でやっているのは何?」と訊いてみると、「なんか、坊主が山登りして、病気になる……みたいな、いや、ちょっとワカリマセン」とのこと。実際は『源氏物語』の「若紫」で、若い男が病気療養のため山へ行って、坊主のところにいるかわいい女の子を見つける話なんですけどね。🤣
今まで勉強しなかった分「どんどん進めたい」と言うので、古文は基本的な文学史や知識、古典文法をゼロから解説・演習、単語テスト、そして読解演習。現代文は週に3題。彼も頑張りましたが、私も毎回息つく暇もないほどのてんてこまいで、ヘトヘトでした。しかし、今まで野球に向けていた全ての時間とやる気を勉強に向けたのですから、基礎の固まってきた秋以降、成果は目に見えてきます。
冬、過去問演習で、『源氏物語』のかなり長め、設問もかなり難しめの一題を全問正解していたときは、こちらが泣きそうになりました。
この生徒さんは第一志望校を恥絵、たくさんの大学から合格をもらいました。1年間野球断ちをして勉強に打ち込んでいたせいか、「もういい」と言っていた野球を大学でまたやりたくなって再開したそうです。