英語が「苦手」な中学生へ
長年たくさんの生徒さんたちに英語を教えてきてわかったことは、生徒さん自身の「英語は得意」とか「中学までは英語が得意だった」という言葉がいかに現実とずれているかということです。自称「英語得意」の高3生や浪人生のほとんどが、「go to school」や「in the morning」などの中一で学習(今は小学校?)する表現を正しく言えず、あるいは「 too 〜 to」構文と「 so 〜 that」構文を理解していません。医学部や旧帝国大学を目指す生徒たちでもです。(本当ですよ。)
そもそも「得意」というのが、クラスや学年などの極小の範囲での成績なのか、自分の中での他教科との比較なのかが曖昧ですが、どちらにしてもほぼ「誤差」であって、意味のないことです。このことから逆に確信を持って言えることは、中学生などの早い段階で英語が「苦手」だと思っている場合にも、それは「誤差」に過ぎないということです。(ただし、放置して高校生、さらには大学受験生となると誤差とは言えなくなります。)
もちろん、困っている本人としては、その誤差が大きな差に見えるから焦ったり落ち込んだりしてしまうわけですし、誤差だから放置してかまわないと言っているわけではありません。何とかして「苦手」を克服したいと思っている真面目で向上心のある中学生の皆さんに、その方法をお伝えします。中2でも中1でも、完全に理解できるところまで教科書を遡って、本文の音読と暗唱、単語の練習、文法演習を丁寧に繰り返すことです。100%身についたと思ったら、次の課へ進みます。易しいドリルを併用しても良いでしょう。難しくはないのですから、大切なのは続けることです。
これをやったからといって、1ヶ月後のテストで急に点が取れるようになるわけではありません。大学受験の時に点が取れるようになるのです。そこまで待たなくても、1年後には苦手意識が薄れ、2年後には「苦手」ではなくなっているはずです。
親御さんにもお伝えします。「苦手」だからとただ塾に行かせるのではなく、上記のやるべきことをお子さんが続けられるような塾や家庭教師を見つけるなどのサポートをしてください。焦らずにじっくりと固めた基礎の上には、いずれ大きな応用力がのります。長い目で見て大切なのは、人より早く先へ進むことではなく(これについては多くの(自称?)「進学校」も勘違いしているように思います)、苦手意識を植え付けずに盤石な基礎を作ることです。