「共テモード」と「二次モード」

 国立志望の受験生は10月11月になると学校でも塾でも過去問レベルのかなり難しい問題に取り組む機会が増えてきますが、ポコっと入る共通テスト模試で意外に苦戦することがあります。共通テストレベルでこんな点なんて……としょんぼりしてしまうかもしれませんが、もしかすると「モード」の切り替えに失敗しただけかもしれません。

 特に英語と国語のような「読み」が中心となる科目では、「共テモード」と「二次モード」の使い分けが必要です。センター試験時代には、(国語はともかく)英語は質量ともに標準的な出題だったので、国立志望者はただ落ち着いて解けばよかったのですが、共通テストでは、大量の内容の質の低い文章を読んで情報処理に追われます。一方で、東大や京大などの二次試験では、読み応えのある内容の、そこそこ難しい文章をしっかりと読み込まなければなりません。過去問に取り組むときの本気モードで共通テストの問題に向かってしまうと、どんどん疲れて集中力がなくなってきてしまうのです。

 軽めのマンガを読む時と、レポート書きのために社会問題について扱った本を読む時とでは読み方が異なりますよね? マンガならリラックスして、寝転びながら気楽に眺める感じ。難しいテーマの本なら、ペンを片手にメモを取ったり、わからなくなって少し前に戻ったりと、頭をフル回転させて読むはずです。

 国語が苦手なある受験生が、共通テスト模試の国語で、試験中に眠くてたまらず朦朧としていい加減に解答した設問がなぜかことごとく合っていて、スバラシイ点を「取ってしまった」という話をしてくれました。ここには「共テモード」のヒントがあるように思います。眠れと言っているわけではありませんよ。😆 二次試験とは質が違うのだから、肩の力を抜いて、気楽に要領よくさばいていく感じをちょっと意識してみてください。