英語「リスニングが苦手」を分解する②

意味を考えているうちに話が進んでしまう

 前回の続きです。

 単語も文章もちゃんと聞き取れるけれど、やっぱりリスニングが苦手だという人もいます。聞き取った内容を理解するのに少し時間がかかり、その少しの間に次の文やセリフが流れてしまい……と、スピードについていけなくなるのです。

 ではどうしたらその「時差」をなくして(へらして)いけるのでしょうか。これも必ずしもリスニング練習をしないと克服できないものでもありません。即解力をつけるには、単語も文法も「一応知っている」とか「思い出せる」とかいうレベルから、「知っている」状態へと持っていく必要があります。見たり聞いたりしたら即座にわかるようになるまで、一つ一つの知識を徹底的に身につけてください。

 また、長文演習の際に、最後の仕上げとして、何度も音読することです。繰り返すことによって、出てきた単語も複雑な文構造も、染み込むように頭に入ってきます。途中ただぼーっと声を出すだけになっていたり、一度止まって考えないと内容が入ってこない場合があります。それでもいいのです。初めのうちはゆっくりでも止まりながらでもいいので、そういうことがなくなるまで5回でも10回でも音読してください。最終的に日本語の文章を読んでいるのと変わらなくなるまで、つまり、読んでいるところが同時に頭に入ってくるようになるまで、繰り返します。これは長文の基本的な勉強方法でもありますから、速読力も即解力も上がります。

 同じことをリスニングだけで訓練しようとすると(してもいいですが)、自分の理解に合わせてスピードを緩めたり、途中で止まったりできないので、しんどくなってしまうかもしれません。読んでわからないものは聞いてもわかりません。それならば、まずは読んでみればよいのです。