「模試ブルー」〜試練の時〜
秋の模試シーズンとなりました。その日丸一日が潰れて、気力体力ともに消耗するので、受験生には厳しい季節です。人によっては一つの模試をきっかけに「模試ブルー」に陥ってしまうことがあるので心配です。特に浪人生の場合に、模試を受けた次の月曜日から予備校に行けなくなってしまうケースがあります。結果が返却されなくとも、受けた感触で自分に大体のことはわかりますから、己のできなさに落ち込んでしまうのです。
脇目も振らずがむしゃらに勉強している時ならまだしも、長い受験生活を送っている浪人生ともなると、自分が本当に全力で努力してきたと断言できる人はほんの少数でしょう。模試の出来以上に、そういう自分の不甲斐なさに直面して耐えられなくなるのだと思います。
自分のダメさに落ち込むことは、大学生になっても、社会人になっても、30代40代になっても時々あることなのですが、20歳そこそこの若者が身分不安定な状況で経験するとなると、かなりの試練だと思います。一旦は逃げても、そこから抜け出るには不甲斐ない自分を乗り越えるか、受け入れるかして、勉強に戻るしか道はありません。心身の疲れが憂鬱を呼ぶことは確かなので、逃避して少し休んでみるのも悪くありません。周囲の励ましの声はおそらく届かないでしょう。結局は自分で乗り越えるしかないハードルです。
受験が精神的な成長につながると言われるのは、こういうことがあるからなのだと思います。