字の上手下手と学力は関係ある?
よく、「勉強のできる人は字も上手だ」とか、「字の下手な人は学力も低い」とか、耳にすることがあり、ずっと気になっていました。何となく納得するような、あるいは、そうであってほしいような気がしていたのです。
長年の観察の結果は……のちほど発表することにして、ひとつ言えるのは、「よく勉強する人はそのぶん多くの字を書くので、”自分の字”が完成している」ということです。一文字一文字の形が決まってくるのはもちろん、行が斜めになったりあちこち揺れたりせずに整列するようにもなってきます。
かつての生徒さんで、高校生になってから英語の勉強をやり始めた方がいました。とても真面目で、宿題の練習問題は教材に書き込まずに全てノートに手書きしていました。初めの頃は判読できない文字も散見されました。しかし半年後、宿題のノートは遠目にも整然としていて美しく、アルファベットの一文字一文字もスムーズに読めるようになっていました。私が感心していると、「そうかな?」という顔で半年前のノートを出してきて、見比べて「うわぁ、昔のはミミズがのたくったみたい」と笑っていました。英語、日本語を問わず、書き慣れてくるとその人なりの字が完成してくるのです。
さて、その完成した字の上手い下手が学力に関係があるかというと、どうやらないようです。あくまでも私一人の観察の結果なので調査対象が少ないかもしれませんが、「ありそうだ」という目で見ても「ない」ように見えます。