「できるだけ授業を入れたい」は要注意!②
「できる限り多くの授業を入れる」ことによって、授業の密度が下がり、本来の勉強から遠ざかるのですから、成長曲線もその人が本来発揮できるはずのものよりも緩やかになります。平たく言えば、合格から遠ざかるわけです。
したがって、生徒の将来はどうでもよくとにかく授業を増やしてお金を稼ぎたいという塾でなければ、「自分で予習や復習をする時間も確保してほしい」と一応の説得を試みます。それでもご家庭が「とにかくたくさん授業を」と希望される場合には、塾としては応じないわけにはいきません。せっせと各講師との予定調整をして、とにかく格好のつく(ご家庭が納得する)授業数を確保することに汲々とします。
例年、春になると、「あの時もっとたくさん授業を入れてくれなかったから落ちた」というクレームが親御さんからあるそうです。個人指導の場合、一人の講師が担当できるコマ数の限界が低いため、冬の直前期などは、塾・講師側の「できる限り」がご家庭の期待する「できる限り」に届かないことがあるのです。