小論文の時間配分
試験の時、周りの鉛筆の音が響く中で自分だけ(本当は「だけ」ではないのに、そう思える)が手を動かさずにじっと考えている時間というのは、それだけで焦りがつのり、「とにかく書き始めなければ」という気持ちになってしまいますね。しかし、考えが最後までまとまらないまま見切り発車してしまうと、途中でハタと手が止まったまま先へ進めなくなるというもっと恐ろしい事態になりかねません。
小論文を書く場合、まずは発想・ネタ出し、次に構想メモ、さらに肉付けというふうに十分に準備を整えて、着地点が見えてから書き始めることが大切です。実際に解答用紙に文章を書き、細部の表現を整えるのは、ケーキ作りに例えれば、最後にクリームを塗ってイチゴを配置しデコレーションするようなものです。
その最後のデコレーションは、設計図がはじめにきちんとできていればスムーズです。60分の制限時間なら20分程度でしょうか。もちろん人によって文章を作る速さには違いがあり、書き上がらないということは避けなければいけませんから、自分に必要な時間を知るためにも練習をします。その結果、長めの30分必要だとわかったとします。逆に言えば前半の30分はじっくり構想を練り、キーフレーズや文のつなぎ方、話の順番などを考えるのに費やして良いことになります。
自分でそういう時間配分の目安がわかっていると、隣の人がどんどん用紙を埋めているらしくても、さほど焦らずにすみます。自分は自分のペース通りに進んでいけばよいからです。周りの鉛筆の音なんて、そうなれば単なるBGMですね! ね!?