共通テストの愚痴がとまらない…
前回の記事でも書いた通り、共通テストは読む文章が細分化されすぎていて、テストが終わると読んだ内容の印象が薄いのです。センター試験時代には、試験後に話題持ちきりになる出題がちょくちょくありました。例えば国語第2問に岡本かの子(「太陽の塔」で有名な岡本太郎の母)の小説が出題された年は、試験後の授業で生徒が口々に、
「先生! 小説がコワかった!」
「あははははははは、おほほほほほほほだった! 変な小説だった!」
と興奮気味に報告してくれました。
試験でほんの20分触れただけの小説が強烈な印象を残したことは、小説の持つ力の大きさと受験生の感受性の強さを物語っています。余程の読書好きでなければ、受験生が今後も岡本かの子の小説を読むことはないでしょうから、約50万人が受ける試験でのこのような出題は意味のあることだったと思います。
小説以外にも、小林秀雄の評論や源氏物語の抜粋など、一つのまとまりのある文を必死に読み解くからこそ記憶に刻まれた出題がありました。
こんなふうに書くと、まるでセンター試験を賛美しているように思えるかもしれませんが、もちろんセンター試験にも改善してほしい点はありました。一問当たりの配点が大きすぎるので、設問数を増やし、その分試験時間も伸ばしてほしいと私は思っていました。でも、時間が伸びたらもっと疲れちゃうか。(笑)