集団塾に通っていたのに結果が出ない

 受験に備えて塾に行こう(行かせよう)と考えるとき、多くのご家庭では大手・中堅の集団塾を選びます。授業料や塾を探す手間、また歴史ある大手の予備校であれば教材やカリキュラムがしっかりしているという点で、これは当然の判断だと思います。私自身も受験生の時は大手の集団塾に学校の友達と楽しく通っていました。

 ところが、一年も二年も真面目に通っているのに少しも成績が上がらない(他のみんなも頑張っているのですからこれは当たり前ですが)どころか、どんどん落ちていき、3年生になるころに受けた模試の結果にびっくり……というケースが残念ながらかなり多くあります。私が教えてきた生徒の中にも、集団塾に通いながら苦手な英語だけ、あるいは通っていたけれども結果が思わしくないのでやめて個別指導に切り替えたという方々がいらっしゃいます。集団塾をサボっていたわけでも授業中に寝ていたわけでもないのに、習っていないはずのない事柄をあらためて説明すると、「初めて知りました!」と新鮮な顔で言ってくれることが度々あります。

 これではそれまでに費やしてきた授業料も時間ももったいないことです。「塾に行っているんだから」と安心せずに、自分が本当に理解しているか、そもそも勉強しているか、ということに意識を向けてほしいと思います。