集団塾はわかったつもりになる場、個別指導はわかっていないことに気づく場。

 昨日の続きです。なぜ生徒さんによっては集団塾に通っても結果が出ないのでしょうか。

 集団塾の先生方は大勢の生徒たちを長時間飽きさせずわかりやすい授業を展開してくれます。その結果、人によっては授業を聞いただけでできたつもりになって満足してしまい、復習も演習もせずにまた次の授業に行きます。人間の忘却力というのはたいそうなもので、家に帰れば2〜3割、そのまま一晩寝れば6〜7割、一週間も経てばほぼすべて忘れます。勉強に限らず、週に2時間程度ただ椅子に座っているだけで向上する技能などありません。

 一方、ひとりひとりに合わせた個別指導では、その生徒は「何がわかっていないか」を探し出して対応します。もうわかっていることを繰り返しても意味がないからです。これは場合によってはプライドの傷つくつらい時間になります。医学部を目指す浪人生なのに中1で学習する "some" と "any" の使い分けを全く知らない(ことを発見してしまった)生徒さんもいました。英語には自信があっただけにこれには落ち込みます。しかし、
「これは、マズい」
「私、ヤバい」
自覚することこそが、問題の克服へのスタートとなるのです。中1の内容を知らないことを知らないままであれば、進歩もその先の合格もありません。授業を一生懸命に聞き、あれこれ質問し、同じ範囲の宿題を「身につけよう」という意識でやった一週間後は、前週から確実に進歩した自分になっています。