ある医学部3浪生の話②〜敵を知り己を知る〜
まずはご両親も含めた面談で生徒さんの今までの経緯や現状などのあらゆる情報を共有します。そこで明らかになったのは、ご自分の認識と現実のズレでした。英語は得意だと思っていたそうなのですが、センター試験や模試の結果を聞くと、医学部受験生としては全く足りないレベル。
一般に模試は主催する予備校や模試の種類によって偏差値の出方にバラツキがあります。実力に対して数値が高めに出たり低めに出たりすることはよくあることです。長年個別指導をしていると普段の生徒さんとのやりとりや授業・宿題から「実力」を見ることができるので、講師の方は模試での偏差値を目安程度にしか捉えません。一方、生徒さんや親御さんは、逆に偏差値を頼りにご自分の実力を推測するしかないわけですので、高めに出た数値でも安心してしまうのは仕方のないことではあります。
「敵を知り、己を知れば、百戦あやうからず」という言葉がありますが、3浪目をスタートして初めて、この生徒さんは「敵」=「医学部合格に必要なレベル」と、「己」=「ご自分の現在の実力」を知る機会にやっと恵まれたわけです。