模試のデータに一喜一憂しない

 昨日の続きです。かつて教えた生徒さんの親御さんで某予備校の模試の「合格者平均点」を非常に気にされる方がいました。その生徒さんは理系だったのですが、国語の現代文、古文、漢文それぞれの点数を「合格者平均点」と比べては、「古文が弱い。単語や文法に抜けがあるのではないか。」と心配し、また次の模試が返されると「やはり漢文が弱い。漢文も教えてほしい」と言ってこられる方がいました。

 一回一回の模試では、例えば古文で失敗したけれど現代文は良かったとか、次の模試までに古文の実力はついたけれど現代文の時間配分を失敗したとか、いわば「揺らぎ」があります。国語の中でももちろんですし、教科間でもあります。講師の側は普段の授業の中で、データではなく実力を見ていますし、照準は本番での合格に合わせているのであって、一つ一つの模試で一定ペースで成績を出していくことではありません。(1年に2回程度、重要な目安とする模試はあります。)地道に基礎を固めていった結果、ようやく冬ごろになってググッと成果が目に見えてくるというようなことはしばしばあります。

 全ての模試を同列に見て、一々の細かすぎるデータに照らし合わせて一喜一憂するのは無意味です。理解度や能力という本来数値にはできないものの一面をなんとか数値化してみたものが模試の数値だということは知っておいてほしいと思います。