個別指導・家庭教師をいつ使うか

 長年講師をしていると、生徒さんは中学1年生から社会人まで幅広く、授業の中身も普段の勉強から、集団塾に通いつつ苦手科目のサポート、そして受験直前の赤本対策と、実に多岐に及んでいます。一人ひとりの状況に応じて対応してこその個別指導ですから、どんなケースであれその人にとってのベストなやり方を工夫しますし、そこが面白くもあるのですが、時々、別のタイミングで依頼してこられていたらと悔やまれるケースがあります。

 近年の中学受験での流れもあるのか、まずは集団塾に行って、直前の追い上げに家庭教師をつけるというパターンがあるのですが、「直前すぎる」ことがあるのです。冬休みに入ってから、さらには共通テストが終わってから過去問対策を頼まれることがあります。もちろん予定したシナリオ通り、そこまでにある程度の実力がついていれば対応できるのですが、残念ながら過去問を解くレベルに達していないことが多いのです。

 集団塾の授業を減らして春から、せめて夏休みくらいから教えていたら志望校合格を狙える実力がつけられたのに……。そうしたら赤本対策は自力でできていただろうに……。合否に与える影響は、実力が95%以上、過去問対応など5%程度がいいところです。成績の推移や勉強しているご本人の手応えの有無を鑑みて、それぞれの方に適切な時期に使っていただけたらと思わずにはいられません。