東大受験生二人の明暗を分けたものは②

見込み・戦略を立てて勉強する

 この二人のもう一つの共通点は、よく二次試験の見込み得点を計算していたことです。通常はこちらから促して同じことを一緒にやってみるのですが、この二人は言われるまでもなくちょっとした時間にそれをやっていました。

 例えば英語なら、各大問ごとにおおよその見込み得点を書き出します。この時、現時点での悲しい模試結果と、この先の勉強による現実的な伸び代を含んだ幅を考慮に入れます。それらを合計して、最もあり得そうな幅で「50点〜65点」というように予想します。河合塾と駿台予備校の模試でも大問の配点が異なるので、自分に有利な場合と不利な場合との幅を持たせて考えておくことは大切です。そして全教科を足すと、かなりの幅を持った総合点が出てくるので、それをもとに、「得意の数学ならもう少し伸ばせそう」とか、「英語は10点くらいは上積みしたい」などと考えます。すると二人の課題であった第1問と第5問も、決して満点に近いような素晴らしい点を取る必要はなく、苦手ななりに半分取れれば望みがあるぞ……というような具体的な目安が出てきます。

 このように文字で説明するととても長いように感じられるかもしれませんが、二人ともささっと計算しては目標と現実の差をしょっちゅう確認していました。