東大受験生二人の明暗を分けたものは⑤
二次試験まで
二月末の二次試験まで、Aくんは授業を増やした分、時には苦手な古文・漢文の過去問の質問を持ってきたり、進路そのものという大きな悩みや日々の疲れの取り方など小さな困り事まで相談をしたり、授業も悪天候時にはオンラインに切り替えてと工夫しながら充実した時間を過ごしました。こちらもあらゆることについてできる限りのアドヴァイスをし、一緒に悩みました。中旬には私大の受験もありました。
この二人は受験する私大もほとんど同じでした。それも片付き、いよいよ東大……となった頃、Bさんの親御さんから塾に「直前に出歩いて体調を崩させたくないので休ませたい。次回授業は二次試験後、後期試験前の3月○日○時に後期対策を」という連絡が入りました。センター試験前と同じです。(ちなみにその3月○日も、だいぶ間が空いたので塾が再び気を利かせて前日夕方に予定確認の電話をしてくれたのですが、「後期は足切りで受けられなくなったので」授業は無くなりました。足切り発表はその数日前だったのです。「だから、それ、もっと早くそちらから連絡して……」と、またしても思いました。)
明暗
ここまで読んでくださった方は既に想像がついていると思いますので、あっさり発表しますと、Aくんは合格、Bさんは不合格でした。
できるだけの対策をして送り出したものの、Aくんは現役で合格できるかどうか半々というところでした。直前の対策ができなくなったBさんもセンター試験時のように自力で勉強する力はあったので、やはり合格の可能性はありました。
この二人の決定的な違いは、親御さんの関わり方にあったと私には思えてなりません。実力伯仲の二人ですが、この違いだけは入塾初日に如実に現れていたのです。