学習ツールは進化しても人の脳は進化しない
AIを利用した学習や「一人一台タブレット」など、技術の進歩が学習の風景を変えつつあります。まだ地域間や学校間の格差があり試行錯誤の段階のようですが、今後もこの傾向は進んで、それなりの強みを発揮していくのでしょう。一方で、昨日の記事にも書いたように、ノートを取るというような「古典的」で「古臭い」手を動かす勉強の機会は確実に減っているようです。
インターネットとパソコンが急激に普及したと思ったらスマホが登場しあっという間に進化して今に至りますが、人間の目がパソコンやスマホの画面を長時間見ていても疲れないように進化することは、私たちが生きているうちには起こらないでしょう。同様に、いくらデジタルツールが進化しても、人間が何かを学習していく脳の仕組みは以前と変わっていないでしょう。
板書を写す必要がないからノートを取らないというのでは、情報は整理されず記憶は定着しません。小学生が平仮名や簡単な漢字を、中学生が難しい漢字や英単語を、手にペンを握って(声にも出して)何度も書かずに覚えられることはないでしょう。学習の根本が変わることはないと改めて認識しておくことは、「新しい」学習方法への過度な期待やそれに関する情報に振り回されることを抑制してくれると思います。