ノートを取らない高校生が増えた

 ここ数年、授業中にノートを取ろうとしない生徒が増えている実感があります。それどころか、そもそも授業にノートやルーズリーフを持ってこない人が増えています。

 説明を聞いてみたら自分の知っていることだったという場合なら、わざわざノートを取る必要はありませんが、知らないことや勘違いしていたことを、例文をあげたり、文法構造を図解して板書しながら説明している時でも、両手をお行儀よく膝の上に置いたままじっと見ています。「聴く」と「書く」を同時にやると混乱する場合もあるので、「聴く」を優先するのは良いのです。昔もノートを開けて鉛筆を握ったまま静止して一生懸命話を聞いている姿はよくありました。しかし説明が終わっても、相変わらず両手を膝の上に置いたままじっと見つめられると、どこかわからなかったのかと心配になります。そこで理解をチェックしてみると、ちゃんとわかっている。
「次行くよ。板書消しちゃうよ。写した? 写さないと忘れちゃうよ」
 と促すと、ようやく筆記用具を手に取るという具合です。

 学校に電子黒板が導入されたり、スマホやiPadを授業で活用するようになった影響なのでしょうか。まだいませんが、そのうち私の板書もスマホで写真に撮る生徒が出てくるのかも……。