ノーベル賞からクロワッサンへ①
英語の長文問題集を前から順に解いていると、中には内容が薄くてあまり面白くないものも混じっています。そんな時は英語が理解できたところでおしまいにせずに、一般教養としての関連知識を紹介したり、あわよくば生徒さんの知識とつなげることを試みます。いわば、内容の立体化です。
何ヶ月か前に読んだのは、ノーベル賞についての文章で、一通りの説明のあとは年号と受賞者つらつらと書いてあるだけなので、award とか prize とかの単語を身につけるのには役立つのですが、高校生にとっては知らない人の名前、それも英語ではないものも多く混じっている名前を読むだけで疲れてしまうような内容でした。私も全員は知りませんでしたが、この人は知っておいてほしいという人を選んで解説を加えました。
この時の生徒さんはキリスト教の学校に通っていてフランス語の授業もあるようでしたので、まずは外国人代表としてアンリ=デュナンを取り上げました。赤十字の創設者であるスイス人で、名前から言ってフランス系です。スイスには4つの公用語があるなんていうことにも触れます。「アンリ」という名前は英語なら「ヘンリー」です。フランス語では「H」を発音しないので「hotel」は「オテル」となります。英語でも時々ありますね。「honest」の「H」は発音しません。
国際赤十字社のことは多少なりとも誰でも知っていますから、その創設者の名前を知っただけではちょっと物足りない。そこで赤十字のマークを思い出してもらいます。正方形の白地に、縦横の長さが同じ赤い十字ですね。スイスの国旗を知っていますか? 冬のオリンピックなどで目にする機会があります。そう、正方形の赤字に縦横の長さが同じ白い十字ですね。デュナンの国であるスイスの国旗の赤白を反転させたものです。
続きはまた次回。🤗