迷える受験生へ〜予備校に利用されないために〜
前回(『夏に東大過去問10年分? 不要です!』)の続きです。夏期講習や過去問講座の選択において、売り上げを伸ばしたい予備校側の圧力に負けずにどこまでも自分本位で一歩も譲らずにいてほしいと前回書きました。とは言っても、自分でもどうするのが自分にとって一番良いのかがわからなかったり、自信が持てなかったりするわけで、たとえ圧力がなかったとしても「自分」がグラグラするのもわかります。
正解を探さない
どの塾で、どの講座を取って(あるいは取らないで)、どのように勉強したら実力がつくのかという問いに、残念ながら正解はありません。一人一人、現在の実力も状況も違うからです。某予備校の東大過去問10年講座にしても、それを受講して合格した人、受講して落ちた人、受講せずに合格した人、受講せずに落ちた人がいるわけで、他人の成功・不成功は参考になりません。迷いながらも自分の状況を自分で見て決断するしかないわけです。
「自分の勉強」の積み重ねで実力がつく
模試を受けているでしょうから、そのデータや、受けた時の自分の感触で、自分の力や受験生の中での位置はある程度わかっているはずです。まだ過去問を解くレベルに達していないのか、すでに達しているのか。迷うのは、「ある程度は解けるけれども……」という中くらいのレベルの人たちだと思います。皆性格も色々ですから、難しい過去問に戦闘的に取り組み続けることで力をつけていく人もいますし、階段を上がるように基礎を着々と積み重ねていく人もいます。いずれにしても、「講座を取ったから」力がつくわけではありません。考えて考えて、調べて、答えを捻り出して、復習して、また調べて、覚え直して……という「自分の勉強」の積み重ねによって、少しずつ力がついていくのです。
従って、そのための時間は絶対に確保しなければなりません。ある程度時間に追われるのは受験生である以上は仕方がないとしても、このような「自分の勉強」がおろそかになるようなものはなんであれ、百害あって一利なしです。一歩も譲ってはいけないのは、この「自分の勉強」です。「自分の勉強」の良い材料になるような授業を、「自分の勉強」の時間を確保した上で取るべきです。