過去問をいつから解くか

過去問は限りある貴重な資源

 1学期が終わる頃になると、受験生から
「過去問っていつから解けばいいんですか?」
 と質問されることが多くなります。

 一言で答えれば「人による」で終わりなのですが、個別指導の担当生徒の場合は、もちろんその生徒さんの状況を見てそれぞれお答えします。ところが、中には万人に当てはまる正解があると思っている人や、早いほど良いと勘違いしている人がいます。

 現時点で過去問がスラスラ解ける必要は全くないのですが、半年後にはこれが解けるようになっていなければならないという到達点を知る意味で、とりあえず一年分を解いてみるというのは、アリです。中にはクセのある出題や時間が足りないと感じる出題もあるので、一回見ておくというスタンスです。東大志望者の場合は、まさに東大の出題をなぞって作問された東大模試が河合塾でも駿台予備校でもありますから、それを過去問がわりにしてもよいでしょう。

 その後はどんなに早くても秋まで過去問をやる必要はないと私は考えています。冬まで待っても構いません。(医学部を10校も受けるような場合は早めに計画的に。)そうしないと、いよいよ実力をつけた(ハズの)直前期に取り組むものがなくなってしまうからです。過去問は限りある貴重な資源なのです。多くても7年分、志望者の少ない大学では2年分くらいしか赤本に載っていないこともあります。ここぞという演習のために大事に使いましょう。

※東大などの場合は教科別、かつ大問別に編集された25年分の過去問が出ていますが、1年分を通して解くには使いにくいです。