医学部出願書類の添削を受けたけれど……

 昨日の続きです。医学部出願書類を、まずは自分で書いてみて次に添削を受けたけれど、どうも納得がいかないという場合があります。これは特に、普段直接授業を受けている講師ではなく塾の担任や教務の人に添削を受けたときに多い傾向があります。

 先日もある生徒さんが、理系科目の個別指導を受けている医学部受験を謳う塾で、高校での活動や賞罰を記入する自己PR書類の添削をしてもらったものの、不安があるので私にもみてほしいと、書類提出間際に相談してくれました。

 その生徒さんは、ある学校行事でリーダーとなり成果を挙げたことについて書いたのですが、常に笑顔で皆に接することの大切さや、限られた準備期間で十分な成果を出すための計画性など、その体験を通して学んだことを盛り込んでいました。しかし添削ではその部分は要らないと言われ、「苦しい時も笑顔で頑張った結果、成果を挙げ達成感を味わった」というような文に直されていました。ちょっと月並みで、抽象的ですね。

 ここでの問題は、生徒さんご本人が添削後の内容に納得していなかったことです。それでも「先生」と呼ばれる受験に詳しいはずの人が添削してくれたのだから無視して元のまま出すのも怖い。自分と「先生」とどちらを信じるかで迷ってしまったわけです。

 私は断然元の方が良いと思いました。ただ、少し文章にわかりにくいところや、思い切って省いた方が焦点が定まるところがあったので、その体験について詳しく聞き取りながら一緒に文章を直していきました。結果、これでプラスの評価が得られないならばそれはそれで仕方がないとご本人が納得できる書類が出来上がりました。ご自分の受験なのですから、このくらいの気持ちで臨めることが大切ですね。