英語が苦手なのは学校の先生のせい?
学校の先生にも塾の講師や家庭教師にも、「アタリ」と「ハズレ」があります。塾や家庭教師の場合には辞めたり替えたりできますが、学校の場合は一年間は同じ先生の授業が続くことになります。どんな先生でも真面目に授業を受けるのが理想的とはいえ、特に中学1〜2年など学年の低いうちは「この授業は遊びの時間!」と、ろくに勉強せずに過ごしてしまうこともあるでしょう。(私はそうでした。😅)すると、高い指導力を持つ先生の教えたクラスと、いわゆる「ハズレ」の先生のクラスでは一年後には大きな差がついてしまいます。
昔の生徒さんとその親御さんで、授業後の報告と雑談の時に、必ず「中学○年生の時の英語の先生がひどくて」とおっしゃる方々がいました。当時高校2年生になっておられました。授業を進めるうちに英語が苦手な原因は(当然ながら)ご本人の生活や勉強態度など他にも多々あることがわかってきました。何度も確かめたテスト範囲が間違っていて、対策が無駄になったこともありました。何週間も何ヶ月もたっても、毎授業後の「あの先生がひどかったから今でも英語が苦手で」が止まないので、「その時同じクラスだった人はみんな今でも英語が苦手ですか? その先生にあたったのは一年間だけですね。人のせいにするのはそろそろやめて自分で努力した方がいいですよ」という趣旨のことを申し上げました。
学校のシステムによりますが、たいてい中高6年間で4〜8人くらいの英語の先生に習うのではないでしょうか。「英語」といっても「英語表現」と「コミュニケーション英語」などで別の先生に分かれていることも多いです。そうなるとどこかで「ハズレ」の先生に当たることはよくあることです。
「あの先生のせいで……」と思う気持ちはわかりますし、完全に的外れというわけでもないかもしれませんが、全く建設的ではありません。何人もいる中のたった一人の教師のせいでその教科が伸びなくなってしまうという考えは、自分自身やお子さんの能力をその程度に弱く低く見ているということです。進歩を妨げる残念な考え方ではないでしょうか。