遊び尽くして受験生になると
前回は野球少年だった生徒さんの自慢をしましたが、クラブ活動以外でも学校行事や私的な習い事などにとことん打ち込む高校生の熱量には圧倒されます。昨日は開成の運動会でしたが、その実行委員として高3の5月まで頑張っていた受験生もいました。当然、勉強に割く時間は減り、受験生活の本格スタートも人より遅れるので、特に親御さんは心配しますし、お友達からは「浪人コース」認定されることもあります。
ただ、私が実際に多くの生徒さんをみてきた経験から言えば、このような生徒さんたちの志望校合格率が低いということは全くありません。やりたいことにもう十分打ち込んだ、とことん楽しんだと感じると、その後さっと切り替えて猛然と受験勉強に入ることができるのです。また周囲よりスタートが遅れていることはご本人たちも自覚しているので、追いつこうとして余計に頑張るということもあるようです。実際、親御さんたちは、「今までは勉強しなさすぎて心配していたんですけど、今は勉強しすぎで心配です。少しくらい休んでほしい」とよくおっしゃいます。
高校生活は大学受験のためにあるわけではありません。部活も行事運営も必ずしも楽しいことばかりではないでしょうに、打ち込める活動があること自体も、それを可能にする気力や環境に恵まれていることも、そこから得られる経験や友人とのつながりも、どれも素晴らしいことだと思います。その上で大学にも合格したら、人より何倍も実り多い高校生活を送れたことになりますね。