大学受験と親〜中学受験とは違う〜

 多くの大学受験生徒その保護者の方々と関わってきましたが、最近増えてきたのはまるで中学受験のように子供の勉強や塾選び、受験手続きなどに関わる親御さんたちです。中には各教科の教材の内容にも精通していて、どういうところができないかなどをご本人に代わって滔々とお話になる方もいます。そして、残念ながらと言うか、当然のことながらと言うべきか、そういう方のお子さんたちは、能力の面からは合格の可能性があった大学に、決まって不合格になるのです。全て親がやってくれるのが当たり前なので、受験を自分自身のこととして捉えきることができず、ここぞというところで踏ん張りがきかないのです。親は子供を合格させてあげたいと思ってあれこれ世話を焼き、そのことがかえって合格を遠ざける。とても不幸なことだと思います。

 大学受験において「直接的に」保護者ができることは受験料や塾の授業料を払ってあげることくらいしかありません。あとはただ「信じて見守る」ことだけです。どんなに歯痒くても、手や口を出さないことです。もう、立派に17歳(以上)になったのです。赤ちゃんの頃と小学生の頃ではお世話の仕方が異なるように、中学受験と大学受験では親御さんの関わりは異なるのが自然です。