今も生徒の英語の発音はボロボロ

 前回、学校の普段の勉強が大事だと書きましたが、その学校で、果たして教えていないのか、生徒の側が真面目に学んでいないのか、英語の発音がボロボロの人が多すぎます。これだけ世の中で「英語、英語!」と騒がれ、それも「生きた」英語だの「スピーキング」だのの重要性が叫ばれているのに、です。ラジオ講座を早起きして聴くくらいしかネイティヴの発音を耳にする機会のなかったウン十年前よりずっとよい環境で、テレビもYouTubeもAETも増えたのに、一体なんなのかと不思議にも思い、苛立たしくもあります。

 「L」と「R」の発音に違いがあるということすら知らなかったり、「th」の発音を日本語のサ行と同じだと思っていたりする大学受験生がわんさかいるのです。アルファベットの発音ですから、日本語で言えば50音です。6年以上勉強しているわけですから、これは恐ろしいことです。中には小学校時代に英会話教室に何年も通っていたという人も少なくないので、本当に驚きます。

 アルファベットや基本的な綴りの発音も知らず(最近では「フォニックス」と言うようですが、名前はどうでもよく、要するに綴りと発音の関係のことです)、当然正しい発音練習もせずに、それなりの数の英単語を覚えているのですから、ものすごい記憶力というのか、記憶力の無駄遣いというのか……。

 4月ですから、本格的な英語の授業が始まった中学一年生のみなさんは特に、英語の音・発音に意識を向けてみてください。後で直すより初めから正しいものを身につける方がずっと楽で進歩しますよ。中2以上の人も高校生や浪人生も、「間違っていた」と気づいた時が改める最も早いタイミングです。わざわざ時間と労力をかけて勉強するのですから、英語もどきではなく英語を身につけましょう。