予備校化する高校②

 一昔前は、「我が校では授業と宿題でしっかりと実力をつけさせるので、受験のための塾に通う必要はありません」と明言し、実際にとても充実した、生徒の側からすれば深度が速く課題量も多くて大変な授業をする私立高校がかなりありました。ただ、結局、それでも多くの生徒が塾へ行くのです。そのためなのか、最近ではそういう話はあまり聞かなくなりました。成果が芳しくなかったからなのか、学校と塾の両方に通うのが当たり前になったからなのかわかりませんが、高校も、高校生も、大変だなぁと思います。

 私立中学高校のホームページを見ると、「個性」、「自由」、「多様な価値観」などの謳い文句の一方で、進学実績がランク分けされて細かく掲載されています。また受験指導にいかに力を入れているかも力説されていたりします。

 少子化の中で受験生とその親に選ばれるためには高い進学実績をあげてアピールする音が重要なのでしょう。生徒や親もそれを望んでいるということもあるでしょう。事情はわかるのですが、私はどうしても複雑な気分になってしまいます。結局は生徒のためというより、学校としての生き残りのために見えるからです。まあ、生き残らないと生徒のためになることもできないのですが……。