大学に入るための塾に入るための塾……?
もう何年も前ですが、〇〇塾の入塾試験に合格するために、集中授業をしてほしいという依頼が、当時の出講先を通じてありました。「へええ、大学受験でもそんな時代になったのか」と驚きました。その後、□□塾の授業についていくための授業をしてほしいという人も現れるようになりました。
中学受験では、小学校1・2年のうちに入塾しておかないと定員いっぱいで入れないとか、△△塾への入会枠のある中学を受験するとか、受験においてはもはや学校や大学よりも塾が主役になったかのような不思議な現象があり、”ステータスの高い塾”に入って”上位クラス”に在籍することが目的となっている人も多いように見えます。
個別指導をみっちり受けないと入れなかったり、ついていけなかったりするようなら、その塾は向いていないのでは……。大学合格が目的なら他に進むべき方向があります。それでも、その塾の方針や指導レベルが素晴らしいものであればお手伝いしようという気になるのですが、私の指導方針とは全く異なる塾だったのです。結局、授業可能な日程が合わないということで話は消えて、ほっとしたのを覚えています。
塾に所属して個別指導をしていると、ご家庭から塾に依頼された内容に一講師が口を挟むことはできません。長い目で見て生徒のためにならないと思いつつ、他の塾の下請けのようなことをするのは、全力で指導する身としては辛いものがあります。生徒さん本位の授業をしたい。こんなことも響教育研究所を立ち上げた理由の一つです。