答えを直すと間違える……。
「やっぱりこっちかも」の危険な誘惑
先日、ある私大医学部の推薦入試を終えた生徒さんと復習をしていると、「これは、初め正しいのにしてたのに、後で直しちゃった」とポツリ。
う〜ん、わかる! この経験、誰にもあるのではないでしょうか。直して正しくなる確率と、正しかったのに直して間違えてしまう確率は、後者の方が高いと感じます。これには理由があります。
まず、真面目に勉強してきた場合、きかれていることそのものの知識や記憶に確信がなかったとしても、頭のコンピューターが勝手に働いて正しい方向へ進んでいる可能性が高いからです。もう一つは、「後で直す」というのは見直しをしたということになりますが、2回目に1回目以上の集中力が出ることはないからです。時間が経てばそれだけ頭は疲れていますし、一応答えが出ている状態ですから自然と油断します。必要な知識を思い出せた場合には確信を持って直せるので良いのですが、試験中になかなか起こることではありません。
ですから、「やっぱりこっちかも」と思っても直さない方がいいよと受験生にはつねづね言っています。が、しかし、そう言う私自身が今でも同じことをやらかすのですよ。人間、なかなか進歩しません。試験中にバタバタしないためには、日々勉強して実力をつけるしかありませんね。