個別指導で英文法の混乱を解きほぐす
「バカな質問」こそが解決の糸口
個別指導をしていると、あとになって生徒さん自身が恥ずかしがるような「バカな質問」が、もやもや解決の大切なきっかけになることが非常に多いです。思ったことを気軽に口に出せる上に、人目を気にせず食い下がって質問を続けることができるからです。中学以来、5年も6年も英文法を勉強していると(そして時にサボっていると😅)、既習範囲でも混乱が起きてくるのがむしろ当然です。
先日も「To不定詞」に取り組んでいるときに、解説もよく理解し演習の正答率も高かった生徒さんが、別の長文で出てきた「Doctors begin diagnosis by observing patients....」という部分について、「なんで "by" なの? "Begin" は "to" じゃないの?」という質問をくれました。いろいろと混乱していますね。英文法として説明された範囲では理解していても、自分の使いこなせる英語の中にはまだTo不定詞が入り込めていないということがよくわかる質問です。
この時は、授業で扱ったTo不定詞からはじめ、動名詞、文型、自動詞と他動詞に至るまで、芋づる式に出てくる生徒さんの疑問に沿う順番で、例文を挙げながら1時間ほど解説しました。こんがらがった毛糸玉をほぐしていく作業です。最終的にはすっきりと理解できたようで、1時間前の質問を「バカなこときいちゃった」と振り返っていましたが、全然バカではないのです。
集団授業や文法書ではおそらく解決できない、その人なりのもつれた部分を発見してそこから解きほぐしていくことで、その部分が解決するだけでなく英語の構造そのものへの理解が進むのです。
学習カリキュラムがそれによって多少遅れたりしても、「バカな」疑問をその場で徹底解説することで得られるものの方がずっと大きいのです。こういうところが個別指導の良さですね。