過去問で「テンパってミスる」、対策は?

 今年はとりわけ私大医学部受験生が多く、今はみんな一生懸命過去問演習をしています。この生徒さんなら正答できるはずだという設問をたくさん落としている場合があります。授業で一緒に見ていくと、生徒さんご本人が「あれ、なんでこっちにしたんだろう?」とか、「その時はなんだかテンパって、こう思っちゃって……」と言って、出来たはずだと反省することが多いです。ここで「出来たはず」なのだから「別にいいや」とスルーしては絶対にいけません。必ずそのときの思考回路を説明してもらいます。私もそれを追体験できるように、また、どの設問は落としても仕方がないがどの設問は必ず取ってほしいという判断をするために、私自身も必ず同じ過去問を解いています。

 ボーダー付近でせめぎ合っている多くの受験生にとって、「できるハズの問題をいかに落とさないか」が勝負の分かれ目となります。(難しい問題はどうでもよい。)「テンパってミスる」のは誰でも同じですし、初めからそれを織り込んでおくべきです。それでも少しでも失点を減らすためには、①実力をつける、②プレッシャーのもとで過去問演習を繰り返す、の二つの対策しかありません。

今からでも実力をアップさせる

 覚えるべき単語、熟語、構文を覚え切っていると断言できる人はいないでしょう。にもかかわらず、この時期になると、「今さら多少覚えたところでタカがしれている」という言い訳のもと、普段の勉強を手薄にする人がいます。真面目に続けている人は今の時期にこそ日々痛感するところですが、「この間覚え直した単語が昨日の過去問に出てきた! だからできた!」ということは頻繁に起こります。知っているだけで(大して頭を使わなくても)読めたり解けたりする知識問題は非常にお得ですし、長文の中で出てくれば正しく読めた安心感が生まれ、気持ちを落ち着かせてくれます。

それでもテンパる

 それでもなかなか普段通りにはいきません。だから過去問演習を繰り返します。たくさん失敗してよいですが、もちろんやりっぱなしではいけません。正しい思考回路と答えを理解するだけでも不十分です。「その時はどうしてこう思っちゃったのか」、「どこで修正できたはずなのか」、「自分はどういうことで焦る傾向があるのか」、「書き込みを工夫してみたらどうか」などなど、講師がついているなら一緒に分析し、自分の弱点を自覚し、反省を次に生かすのです。