記述式問題の優しさ

 昨日の続きです。どんなに惜しくても部分点のない選択式問題と違って、記述式問題は記述量が多ければその分だけ部分点のチャンスも増えます。理解度に応じて点が与えられるので、よりきめ細かく実力差を判定してもらえます。

 とはいっても、やはり慣れというか訓練は必要です。私が初めて数十字程度の記述式問題に触れたのは、かれこれウン十年前の中学受験塾の国語講習でした。それまでは記号で答えるのがほとんどで、記述といってもせいぜい漢字か、本文からの抜き出しだったので、いきなり「学校とは何か、30字以内で説明せよ」という質問と、大教室の中での数人の解答者に運悪く指名されてしまったことで、大パニックに陥ったことをよく覚えています。

 ただ、現在では学校でも塾でも自分の言葉で表すということに力を入れています。また実際の入試問題では、国語にしても、英語長文にしても、必ず本文があってその内容を読み取って解答すればよいので、先ほどの私の例のように本文なしでいきなり単語の定義を求められるというようなことはありません。

 もちろん埋めればいいというものではなく、的外れなことをいくらぎっしり書いても0点です。結局、選択式でも記述式でも文章の内容や英文法を正しく理解していることが前提なのは同じです。記述式は難しいと思い込まずに、手を動かすことを厭わず訓練をする人は、その努力に応じた点を取れるようになります。