反面教師にしてほしい、消えていった医学部受験生たち②
昨日の続きです。
やる気アピールと実際
中学英語を一夜漬けで乗り切ったつもりの人(実際は単に中学英語を勉強しなかった人)は、ちょっと頑張れば医学部にも受かるつもりでいるので、他学部から医学部への転向でも、あらかじめ模試を受けてから受験を判断することもありません。当人は史上最大に頑張る気持ちでいっぱいなので「英語、めちゃめちゃ頑張ります! なんでもします! 絶対夏までに得意科目にします!」とたいてい饒舌です。実際に週一回程度の授業では見おわらないほどの勉強が必要なので、
「では中学英語の抜けを埋めるために、まず自分で教科書を買い直してきてください」
と言うと、次の週に『これ一冊で中学3年間の英語がわかる』というような本を持ってきます。いやいやいや……。😓「楽勝だった」というたかが中学の3年分ですよ。なぜ教科書3冊を買ってこない? それも中学時代にはサボってろくに見てもいないのです。当然その調子では「夏までに得意」どころか、中1の内容を身につけることすらできません。
百歩譲って、勉強をしてこなかったことはいいのです。これからやればいいだけだからです。ただそこで優等生意識が邪魔をするのです。幼少期のお受験で入ってエスカレータで上がっただけの学校なのに、あるいは一夜漬けで地方の名門校に入れてしまっただけなのに、自分は他の人より優秀だという意識を持ってしまっています。そうすると、自分に中1の1学期の英語力すらないことを受け入れて、ゼロから一生懸命努力することができないのです。