焦る時ほど目の前の地道な勉強を

 まだずいぶん暑いですね。中高生も半分くらいはまだ夏服を着ているようです。が、10月もいよいよ後半戦に突入します。受験生は焦りと不安が大きくなってきているかもしれません。なかなか英語が読めるようにならないとか、理科・社会が終わらないとか、なのに過去問もやらなきゃとか……。

 焦るのは当然ですが、焦りに振り回されると何も良いことはありません。焦ってあれもこれも上っ面だけ手を付けると、結局何も身に付かず、何もしないのと同じことになってしまいます。

 今までの勉強とその成果を振り返って、方針を立てたりやることを整理していくことは必要ですが、もしが増えようが過去問に時間を取られようが、実力をつけるための地道な勉強は毎日続けるべきです。

 英語の単語を例に挙げます。例年この時期になると、「単語帳はなんとなく開いたページをペラペラ見直しています」とか、「1日の量を200個に増やしました」という受験生が出てきますが、やめてください。すでに何周かして少し覚えてきたためと、焦って速く進めたい気持ちからそうするのでしょうが、ペラペラ眺めて大体わかる(気がする)ことや、多すぎる量をとにかく見ることに重きを置くことで、当然記憶の仕方がうす〜く、あさ〜くなります。

 単語はもちろん単語帳だけで覚えるものではありません。単語帳で一応頭にストックした知識を、実際の英文の中で「なるほどこういう意味で使うのか」と確認したり、英作文で使って見たりして、ようやく本当に「覚えた」状態になるのです。単語帳の時点で「うす〜い」記憶ではほぼ役に立ちません。1000個をうっすらと記憶するくらいなら500個しっかり覚えた方がよほど役に立つでしょう。

 1日に2ページとか、1週間で1章とか、以前に自分で決めたペースがあるはずです。基本的にはそのペースを守って、着実に覚え続けていくのです。派生語や用法まで覚えるのです。

 無駄に焦って空回りしそうな時は、その日の分の単語をちゃんと覚えてください。