帰国生にも英語の苦労がある⑥

問題が見過ごされがち

 帰国生に起こりやすい英語の問題をいくつか挙げてきましたが、最大の問題は、それらが発見されにくく、見過ごされがちなことだと思います。

 実際に模試などを受けても、他の教科より英語の成績がよく、過去問も共通テストに近いような速読型であればある程度の点は取れます。文法や和訳もそのうちできるようになるだろうと、むしろ教えている側の塾や講師が放置してしまう例がかなりあります。

 見ていると、自己分析のできる優秀な帰国生の場合は、「今までの塾では英語は大丈夫と言われていたけれど、成績は上がってこないし、記述模試は難しかったし。」とか、「なんとなくは解けるけどきちんと理解していない気がする。単語帳の単語も意外に難しい。」というように、自ら英語の受講を希望されることが多いです。

 海外で苦労して身につけた英語は、文法的な裏付けを与えたり、もやもやを解消したりすることで、さらに価値のあるものになります。大学受験においては「鬼に金棒」ですし、その先の将来にわたっても、自らの武器になることでしょう。