選択式問題のコワさ
昨日の模試の記事でもチラリと触れましたが、選択式問題には部分点がありません。にもかかわらず、世の中には、選択式問題は簡単で記述式は難しいという思い込みがあるように思います。とりあえず当てずっぽうでも解答欄を埋めることはできるし、仮に選択肢が4つなら4分の1の確率で点が取れるというのが、その根拠のように言われていますが、本当でしょうか。
当てずっぽうというのはどうしようもなくなった時の最終手段ですが、試験を受ける全員が使える手段であるために、他の人より有利になることはありません。しかも実際には不思議と4分の1の確率で得点できません。昭和の大昔の学校のテストならともかく、今は入試の作問も工夫されていて(共通テストを除く)、しっかりわからないとほぼ正解できないようになっています。
部分点がないという選択式問題のコワさが最も発揮されていたのが、センター試験の国語(特に現代文)だったと思います。大問1つあたり約20分で、本文と、1つあたり3行にもわたる選択肢5つの中から正解を選ぶ設問がいくつもあり、1問あたり7〜8点という異常な高配点です。(個人的に最も改善してほしかった点です。)ある程度の読解力があれば5つのうち2つまで選択肢を絞ることができるのですが、2つのうちの不正解の選択肢がとても巧妙に作られていて、焦りや疲れの中でちょっと気が緩むとそちらを選んでしまうのです。切り捨てた3つの選択肢を選んだ人と、よくできたダミーに引っかかった人とでは、読解力の差は歴然としているのですが、同じ0点です。8点がパァです。もちろん、ダミーに引っかからずに正解を選べた人はもっと素晴らしいのですが、8失点は残酷です。
かつて、ある受験生と、「ダミーを選べた人にもせめて1点くらいくれるべきだ!」「そうだそうだ! 私が採点者ならあげたくなっちゃう!」と盛り上がったことがあります。😄