帰国生にも英語の苦労がある⑤

子供の英語のまま

 日本語の場合でもそうですが、小中学生の言葉と社会人の言葉は大きく違います。単語はもちろん、その単語によって表される概念が、大人になるにつれて抽象的なものが増え、難しくなります。読み書きする内容も大人と子供では大きく違います。会話においても単に用件を伝えるのではなく、失礼のないように、また相手を気遣いながら、言葉を選ぶようになります。

 英語においても事情は全く同じです。子供の日常会話と、大人が仕事や研究で使ったり、政治経済等の難しい話題を論ずるときに使う英語は、単語も文の長さも違います。私の友人で中学卒業まで英語圏にいた人がいます。高校時代は大いに頼りにしていました。その友人は社会人になってから「猛勉強して」英検1級を取ったといいます。なぜ「猛勉強」が必要だったかというと、やはり「子供の英語だったからね」だそうです。

 現地の学校で同年代の子供とやりとりする英語や、授業で教師が使う英語は子供の英語です。日本の大学受験の英語は専門的というほどではなく、中間程度ではありますが、(注:共通テストは子供の英語でいけますね。🙄)やはり帰国後も勉強を続け、年齢に合わせて英語を脱皮させていく努力が必要です。