浪人か、進学か、はたまた仮面か

 私大医学部の補欠繰り上がり待ちの人を除いては国公立後期までの合格発表が終わりましたね。今、一番迷い悩んでいるのは、本命ではない大学にだけ合格した人かもしれません。第一志望校を目指してあえて浪人するのか、せっかく得た合格に納得して進学するのか。あるいはまた、進学しつつ来年もまた挑戦する仮面浪人をするのか。現役生の場合は特に、「第一志望校がダメなら浪人!」という心意気で頑張ってきた人も多いと思いますが、いざ不合格となってみると、心の底からしょんぼりしてしまいますし、その分、第二・三志望校の「合格」のありがたさも身に沁みます。

 どの道を取るにせよ、自分で決めるしかないのですが、判断するにあたっては、じっくりと今年の受験を振り返ってみてください。1年間、自分でもよくやったと言えるくらい頑張ったのか、そうでもないのか。要領が悪かったり戦略ミスがあったりしたのか、そうではないのか。本番の試験では手応えがあったり、逆に敗因として思い当たるような失敗があったりしたのか。こういったことを、一人で静かに、ひとつひとつ振り返っていくと、自ずと選ぶ道が定まってくると思います。その振り返りをおろそかにして、人の意見やいっときの勢いで決めてしまうと、「やっぱり進学しておいた方がよかったかも」とか、「こんな大学に来るはずの自分じゃないのに」とか、選ばなかった道の亡霊につきまとわれる可能性があります。

 今年の受験が、事実上人生初の受験だったという人もいると思います。人生を振り返るようなつもりで、大きな視点で振り返ってみてください。そしてじっくり自分で考えて決断した道なら、それが正しい道です。