小学校で英語を教科化して3年
小学校での英語教育が始まり、その後学年が下げられ、5・6年生では「教科」として扱われるようになって3年が経ちました。同じ時期に大学入試ではセンター試験から共通テストに変わりましたが、その直前には英検やTOEICなどの民間英語試験を導入するという天下の愚策が、専門家や世論の猛反対を受けて土壇場で撤回されました。根拠や方針のないままバタバタと教育が弄られ、子供たちが振り回されている状況です。
小学校での英語の教科化も、「日本人は英語が苦手」(そもそもこれは本当なのかという点に私は大いに疑問がありますが、ここではひとまず置いておきます。)→「早いうちから勉強させればいい」という短絡的な政策です。英語を教えることになるとは思っていなかったはずの小学校の先生方の努力には頭が下がります。
小学校で2年間は英語の入門を勉強してきているという前提で改定された中学校の教科書は、1年生の第1課からbe動詞、一般動詞、can(助動詞)を使ったぶんが出てきて、それ以前の1年生の教科書より遥かに難しくなっています。これでは、「小学校では英語に興味が持てなかったけど、中学校からは頑張ろう」という人のやる気をくじきますね。(私なららきっとこのパターンだったと思うのです。)
発音や単語を覚えたり、簡単な日常会話のフレーズを言うくらいならともかく、文法の仕組みを理解するのは、ある程度の年齢になっていないと難しいと思うのです。(逆に、外国語の文法を無意識的に身につけるには小学校後半ではかなり遅いでしょう。)日本人が日本語の文法をきちんと学習するのですら、中1になってからです。なんだかチグハグなことをやっているなぁと思います。