帰国生にも英語の苦労がある②

文法の裏付けがなくモヤッとしたまま

 耳から入る英語も含め、現地で英語に必死に対応した成果は、当然ながらとても大きなものです。それでも第一言語が日本語の場合、日本語とは大きく異なる英語の文法構造を自力でつかんでいくことはかなり難しいものです。「なんだかよくわからないけど、とりあえず大体の意味はわかる」「こういう風に文を作ればとにかく通じるみたい」というように、現地での意思疎通を最優先することになります。日本語で説明してもらえば案外簡単な英語の仕組みやルールをよくわからないまま、英語を使い続けるわけです。

 帰国して大学受験に臨むとなると、英文のおおよその意味を捉える力だけでなく、正確さも求められることになるので、「よくわからないけど」というモヤモヤを解消しなければなりません。逆に言えば、苦労して実地で身につけた英語に文法的な裏付けを与えることができれば、スッキリして自信を持って英語を使えるようになります。もちろん試験での得点にもつながります。

 医学部の場合は、順天堂や女子医大の出題は帰国生には取り組みやすいと思います。日本語での記述式設問が少ないですし、設問も英語ですから速読力が活かしやすいです。またダイレクトに文法や語法が問われるような設問はほぼありません。