「自覚」した時から本当の勉強が始まる
受験生、それも特に浪人生が、
「あーあ、もっと早くからちゃんと勉強しとけばよかったなぁ〜」というため息のような、つぶやきのような反省を口にすることがあります。このセリフ、実は親御さんはあまり耳にすることがないかもしれないと勝手に思っています。少し距離のあり講師にこそかえって本音を漏らしやすいのではないでしょうか。
これを聞くと、一年前の姿を直接には知らなくても、
「あらー、成長したねえ!」
と微笑ましくなります。「早くからちゃんと……」はずっと学校や家で言われてきたはずなのです。でもその時は、他に楽しいことがいっぱいあって、つい勉強は後回しになる。人に言われるだけでは心に響かないのです。
秋冬にようやく必死になってきて己の位置が見えた時や、結局浪人が決まってしまった時に、ようやく「早くからちゃんと勉強しておく」ことの価値がズシンと自覚されるのですね。でも、全ては「自覚」した時に始まるのです。
勉強を後回しにして楽しんだ経験にも価値があります。それを反省することにも価値があります。同い年なのに、早くから自覚して成果を上げた人を尊敬できるようになることにも価値があります。自覚しないまま、まぐれでうっかり合格してしまうことの方が、長い目で見れば良くないかもしれないとすら思います。
大丈夫ですよ。今になって「もっと早くから……」と頭を抱えながら必死で勉強している仲間は、実はたくさんいます。みんなで頑張りましょう!