英単語は手を動かして覚える

 以前、出講先の塾である高校生の短期授業を担当していた時のことです。英文法の「比較」の項目に出てくる、いわゆる『クジラ構文』を講習中に正しく覚えてもらおうと解説しました。その後も授業のたびにチェックし、生徒さんが言った通りを私がホワイトボードに書いて、間違えたところを考えて直してもらうという形を取っていました。今思えばそのやり方がよくなかったのかも……。ともあれ、最終回の授業では正しくスラスラと言えたので、「では今回は自分で書いてみて」とペンを渡すと、しょっぱなの「クジラ」”whale” が書けない。あれだけ毎回見ていたにも関わらずです。

 見て読めるのと、手で実際に書けるのとは大違いなのです。日本語の場合の漢字と同じですね。もちろん、中には「一度見たらそのまま覚えられる」という稀有な人もいます。(「単語帳を使わなかった東大受験生」参照) でも、私も含めてほとんどの人は凡人です。覚えているハズと思っても一回は書いてみる。それだけで本当に覚えているかのチェックができるのですから、普段からちょくちょく手を動かして勉強することが大切です。